大濠キング・ファーザーは、かなり無口な人である。
大濠キングは、ファーザーに相談をした記憶がない。
どちらかといえば、叔父に相談していた。
大濠キングのファザー観は、無口・酒好き・仕事一筋の3つであった。
男同士なので共通の話題といえば、格闘技の話題ぐらいしか思い浮かばない。
仕事から帰ってくれば、野球中継を見ながらの晩酌・・・
巨人が打つほどに酌がすすみ、やがて・・・
大濠キング・マザーより、怒られる。
毎日の何でもない、光景である。
大濠キングがファザーの意外な一面を知ったのは、シスターの結婚式だった。
実は、大濠キングは結婚式の前日に、なぜか高熱が出てしまい。
病院で点滴を受けて、出席したのです。
それでも、あまり熱が下がらす・・・
食べることも、飲むこともできずに、ひたすらビデオカメラの撮影をしておりました。
あまり喜怒哀楽を表情に出さない、ファーザーですが・・・
新婦が感謝の手紙を読むシーンで、人目も憚らずに泣いておりました。
その内容は、シスターが高校の修学旅行の思い出でした。
修学旅行では、持参できるお金が決まっていたそうです。
マザーは、その決められた額をシスターに渡しました。
ところが、シスターも年頃ゆえに反抗しもっと持っていくと口論になりました。
マザーは規則だからとの、一点張り・・・
シスターはバレないし、みんな持っていくとの反論。
二人の口論を黙って見ながら、晩酌を続けるファーザー・・・
すいません、そのころ大濠キングは仕事で大阪在住でした。
よってこの事件は結婚式で初めて聞きました。
そうこうしているうちに、シスターは泣き出しご飯もろくに食べずに、自分の部屋にもどりました。
やがて朝になりましたが、昨晩の口論が後を引き、シスターは朝食も食べずに出発しました。
荷物の確認もままならず出てきたシスターは、忘れ物があるかもしれないと、バックを開けました。
すると、入れた憶えのない封筒が入っていました。
中をみると、5,000円と・・・
『少ないけど、使ってください。
父より』
と書いた、メモが入っていたそうです。
シスターは自分のわがままを悔やみ、泣いたそうです。
そして、そのお金は使うことができなかったそうです。
結婚式も終わり、ファザー・マザーが帰宅しました。
お茶を飲みながら、マザーが教えてくれました。
大濠キング・グランド・ファーザーが、亡くなったのはファーザーが大濠キングの年齢の時でした。
お父さん子だったファーザーは長男だったこともあり、泣きたいのを必死でこらえ、
お通夜でもお葬式でも決して人前では、涙を見せなかったそうです。
人前で涙を見せたファーザーを、マザーは初めて見たそうです。
やはり、男親は娘がかわいいんだなぁと思いました。
ですが、大濠キングが一番印象に残っているファーザーの涙は・・・
・・・つづく